general
一般歯科とは、ムシ歯や歯周病の治療といった最も基本的な歯科治療のことです。
しかし、この基本的な症状が、日本人にとって自分の歯を失う最も大きな原因となっています。
なぜ、ムシ歯や歯周病になるのか、また、どのように症状が進行していくのか
図解とともに解説していきます。
もっと身近に歯のことを知っていただき、ご自身の歯で健康な食生活を送っていただきたく思います。
●エナメル質
歯の表面部分、一番外側の部分をエナメル質といいます。エナメル質は人間の体の中で最も硬い組織で、水晶と同じくらいの硬さがあります。厚みは2~3ミリほどあり、歯に対する様々な外部刺激から歯髄(歯の神経が通っている部分)を守っています。
●象牙質
エナメル質の下の層にある組織です。歯の大部分を構成している、歯の主成分です。エナメル質よりも柔らかい組織であるため、ムシ歯は象牙質に達した後は、侵食スピードが加速します。また、象牙質に刺激が加わりますと痛みを感じます。
●歯髄
歯の中心部に流れる神経が通っている組織です。歯の痛みを感じるのは主にこの歯髄です。歯髄には痛みを感じるということ以外にも、象牙質の形成や歯への栄養の供給、炎症などの刺激に対する防御反応などの役割があります。また、「歯の神経を抜く」といった場合、これらの組織をすべて取り除くことを指します。これを専門用語で「抜髄」(ばつずい)といいます。
●セメント質
歯根の象牙質の表面を覆っている組織です。歯根膜と呼ばれる結合組織をつなぎとめる役割をしています。
●歯根膜
歯槽骨(歯を支えている骨)と歯根の間にある薄い膜のことです。歯と歯槽骨を繋ぐという役割のほか、「噛み応え」を感じるという役割や、歯に伝わる咬合力を調整するという役割もあります。噛んで痛みを感じる時には、この部分に炎症があります。
●歯槽骨
歯を支えている骨のことです。通常、歯は簡単に抜けることはありませんが、歯周病が進行すると歯槽骨や歯根膜が破壊されるため歯を支えることが出来なくなり、歯が抜けてしまうことがあります。また、歯周病で一度吸収してしまった歯槽骨は、どんなに良い治療を行なったとしても回復が非常に困難です。
●歯肉
いわゆる「歯ぐき」です。正しくは歯肉(しにく)と言います。歯ぐきは歯槽骨を保護する役割をしています。ここに炎症を引き起こした状態を歯肉炎といいます。さなざまな病気のシグナルがこの歯肉に現れることが多いので、歯肉の検査はとても重要です。
一度ムシ歯になってしまうと、自然に治ることはなく、どんどん進行していきます。
初期のムシ歯はすぐに治せますが、虫歯が進行してしまうと苦痛を伴い、通院回数も多くなります。
そのため、早期発見・早期治療がとても大切です。
→う蝕の程度
C0→ムシ歯の初期状態
エナメル質(歯の白色半透明の硬い部分)の表面が酸によって白く濁った状態、もしくは溝が茶色になった状態です。 見た目にはほとんどわかりづらい、ムシ歯の初期状態です。 この程度なら再石灰化が期待できますので、しっかり磨いて進行を防ぎましょう。
→う蝕の程度
C1→ムシ歯の中期状態
エナメル質内に細菌が進入して穴が空いた状態です。 ここまで進行すると、もう再石灰化はほとんど期待できません。 また、この時点では、まだ痛みを伴う自覚症状はほとんどありません。 穴の状態が小さいうちに治療しましょう。
→う蝕の程度
C2→ムシ歯の後期状態(初期)
象牙質まで細菌が進入した状態です。 象牙質はやわらかいので、ムシ歯は中で大きく広がります。 大きくなると冷たい水や風がしみるようになります。
→う蝕の程度
C3→ムシ歯の後期状態(後期)
歯髄まで細菌が進入した状態です。 歯髄には痛みを感じる神経が含まれているため、細菌が進入すると炎症を起こし激しい痛みを感じます。熱い食べ物や飲み物がしみてきて、ズキズキ痛み出します。これを歯髄炎といいます。
→う蝕の程度
C3→ムシ歯の末期状態
歯の根だけが残る末期症状。歯髄炎を放置すると、その痛みはある日なくなります。それは治ったのではなく、神経が死んでしまって感じなくなっているだけなのです。さらに放置すると、根の先から歯根膜に炎症が起こり、硬いものを噛んだりすると痛みや違和感を感じるようになります。
ムシ歯の進行具合がC2までの場合が、神経を抜くか抜かないのボーダーラインとなります。
小さなムシ歯の場合、レジン充填という治療で治します。ムシ歯に侵された部分を削り、特殊な光を照射することで固まるレジン(歯科用プラスチック)を詰めて治します。もう少し深い場合には、神経を保護する薬を入れた後、レジン充填する場合があります。
ムシ歯がさらに広く深い場合には、詰め物(インレー)を詰める治療になります。インレーには、金属・セミック・ジルコニアなど様々な素材がございます。スタッフにご相談ください。
ムシ歯がC3まで進行すると、神経を抜かなければなりません。
また、歯の根っこを掃除し、きれいな状態になるまで何度も通院していただかなければならばいので、時間もかかります。
根っこがきれいになったら薬を詰め、歯の中に土台を立てます。
土台を立てたら、被せ物(クラウン)をします。
クラウンにも金属・セミック・ジルコニアなど様々な素材がございます。スタッフにご相談ください。
気になる口臭や腫れて黒ずんだ歯茎、歯茎からの出血…これらは歯周病が原因で起こる場合がほとんど。
45~54歳代では、日本人のほぼ90%が歯周病という、まさに国民病。
歯の健康をおびやかすだけでなく、美観も損なわれ、人付き合いで相手にいやな印象を与えかねません。
歯ぐきに起こる、化膿性の炎症、
それが歯周病です。
痛みも無く、じわじわと進行し、歯ぐきが腫れたり、口が臭くなったり、
歯を支えているが骨がやせてグラグラになり、
放っておくと最後には歯が抜けてしまいます。
歯垢(食べカス)が歯と歯ぐきのスキ間にたまると、
その中にいる細菌が繁殖して歯周病をひき起こすのです。
その他にも、歯並びや噛み合わせの不具合、過度の歯ぎしりや精神的なストレスなども歯周病の原因と考えられています。
①歯をみがくと血が出る。
②ときどき歯肉が腫れる。
③口臭が出てくる。
④歯が長くなったように見える。
⑤歯と歯の間に隙間ができて、食べ物が入りやすくなる。
⑥歯が動くようになり、よく噛めなくなる。
⑦歯がグラグラになり、抜けてしまう。
毎日のブラッシングでプラークコントロール
毎日きちんと歯磨きをして汚れを取り除くことが大切です。しかし「磨いている」と思っていてもきちんと「磨けている」ことは少ないものです。歯科衛生士から正しいブラッシング方法を学びましょう。
定期健診(クリーニング)
歯垢(しこう)を放っておくと歯石になります。歯石になってしまうと日常のブラッシングでは取れません。歯石は表面がデコボコしているのでさらに歯垢が付きやすくなり、歯周病を悪化させます。定期検診で歯石除去と歯の健康チェックをしてもらいましょう。
早めの治療
歯周病は初期のうちなら完治することが出来ますし、悪化しても適切な治療とセルフケアで抜かなくても済む場合があります。少しでも自覚症状があったら、痛みがなくても積極的に診療を受けましょう。
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