Hasetsu Case
歯の見える部分(歯冠/しかん)が割れることを
歯冠破折(しかんはせつ)といいます。見てすぐわかります。最も多い割れ方です。
歯の歯肉に埋まっていて見えない部分(歯根/しこん)まで割れる状態を
歯根破折(しこんはせつ)と呼びます。または、歯牙破折(しがはせつ)といいます。
歯が割れる理由としては、大きく5つあります。
1.虫歯を放置していて、虫歯が進み歯が割れる。
2.虫歯の治療が繰り返し行なわれ、歯の神経を取って、数年~数10年経って噛む力により歯が割れる。
3.過剰な噛む力や、歯ぎしり、食いしばりで歯が割れる。
(歯はまっすぐ縦の力で噛むと強いのですが、横からの力や斜めからの力、グラインドさせるような力では若い人も歯を割ってしまうこともあります。)
4.老化で歯が割れる。
(虫歯が全然ない健全な歯でも年齢と共にもろくなってきます。人によっては、50才くらいで割れる人もいます。一般的には60才を過ぎると割れやすくなります。)
5.転倒などの事故で歯が割れる。
写真は「かみしめ」や「くいしばり」があり、ご自身の噛む力が常に歯に加わっており割れてきた症例です。
こうなると多くは歯を抜くことになります。
「歯根破折し治療した歯が、もう一度割れてしまう」ことが最も多い理由です。
1度割れた歯は、治療の時に駄目になった部分を削る必要があり、
歯が弱くなり治療前と比べると壊れやすくなっています。
次に多いのは、「噛み合わせ」の異常(咬合異常)によって歯の根っこが割れる事です。
「深い咬み合わせ/ディープバイト/過蓋咬合(かがいこうごう)/深く噛みすぎている状態」
歯に横からの力がかかったり、噛むときに"石うす"のような動きをすると、
ねじる力が強く歯にかかり、年齢が若くても歯の根が割れることがあります。
・小さい歯冠破折の場合
割れた部分を取って、形を多少整え、長崎は接着技術(接着治療)を使って元の歯の形に戻します。
・大きい歯冠破折の場合
割れた部分を取って、必要があれば神経治療(神経を抜く)を行います。
接着治療で、土台治療を行い、人工歯をかぶせます。
・歯根破折の場合
治療には大きく3つのパターンがあります。
1.接着治療を使って土台治療をすることで、自分の歯の根っこを残します。
その後、人工歯をかぶせます。
2.一度、破折歯を抜いて、接着技術をつかって土台治療をし、もう一度歯を戻します。
歯がよくくっついたら人工歯をかぶせる治療をします。
3.歯の破折の状態が悪かったり、残っている歯の状態がひどかったり、
周囲の骨の状態が少ないとか骨折している時、また炎症がひどく骨の欠損がひどい等の場合は、
やむを得ず、歯を抜きます(抜歯)。