フッ素(フッ化物)と聞くと子どもの虫歯予防のためのものというイメージがあるのではないでしょうか。では、大人にはどうなんだろう?と疑問を持つ方もいると思います。
今回は、そんな疑問を解消するべく【フッ素(フッ化物)は大人にも効果的なの?】という疑問にお答えします。
※以下よりフッ化物のことをフッ素と表記します。
目次
フッ素の効果
まず、フッ素の効果には、どのようなものがあるのでしょうか?
フッ素の効果として代表的なものとしては、以下のものがあります。
- 再石灰化(さいせっかいか)をより効果的に助ける
- 歯の質を元の歯質より、強い歯質に変える
- 虫歯菌が出す酸の作用を抑える
フッ素には、このように虫歯予防に関わる様々な効果があります。
フッ素については、以前に【フッ素(フッ化物)ってなに?歯に良いの?にお答えします!】にてご紹介しているので、詳しくはこちらをご覧ください。
実は大人の歯は虫歯リスクが高い!その理由
虫歯予防といえば子供の歯のイメージが強いですが、実は大人の歯が虫歯になるリスクが高いことは、意外に知られていません。なぜ大人の歯は虫歯リスクが高いのでしょうか?
自分の歯を自己管理するから
虫歯予防のために親が予防や管理をしている子どもと違い、大人は自分の歯を自己管理することになります。つい、疲れや忙しさで歯磨きができなかったり、間食や不規則な生活によって虫歯のリスクが高い生活をしています。間食が増えるほど虫歯リスクも高まるので、食事や間食は時間を決めて食べるようにしましょう。
一度虫歯治療した歯は虫歯になりやすいから
過去に治療をした歯は、虫歯になりやすいことがわかっています。一度虫歯治療をした歯が再度虫歯になる事を「2次カリエス(虫歯)」と言います。治療した歯は無傷の歯に比べて虫歯になりやすいため、歯磨きもより丁寧に行う必要があります。
歯周病になると歯ぐきが下がるから
歯周病は、30代以上の3人に2人がかかっているといわれるほど、私たちの身近な病気です。歯周病になると歯肉が下がってしまい、やわらかくて酸に溶けやすい歯の根の部分が露出してしまいます。歯質が弱い歯の根元は、虫歯になりやすいため、特に注意が必要です。
大人の虫歯予防にもフッ素は効果的!
虫歯リスクの高い大人の方にも毎日のケアにフッ素を取り入れることをオススメします。歯磨き粉の成分表示を見てモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化第一スズ(SnF2)のうち、いずれかが含まれていればフッ素が含まれているということになります。
大人の虫歯予防は1450ppmのフッ素濃度がおすすめ!
フッ素には濃度があり、ppm(1ppm=0.0001%)という単位で表され、年齢によって使い分ける必要があります。小学生未満は500ppm、小・中学生は950ppm、大人の虫歯予防には高濃度である1450ppmの歯磨き粉を使う事をおすすめします。
堀内歯科おすすめのフッ素入り歯磨き粉
大人用
当院で販売中のフッ素入りの歯磨き粉です!真ん中のコンクールジェルコートFは、歯ブラシ以外にも歯間ブラシなどにも付けて磨くことが出来ます♪ジェルタイプなので、泡立ちが苦手な方にもおすすめです。両サイドは歯科のみで販売されていてフッ素濃度が高く、お家でも取り入れやすいセルフケアでおすすめです。
子供用
チェックアップ コドモとホームジェルの2種類ご紹介します。
チェックアップ コドモはフッ素濃度が950ppm配合されており、泡立ちが少なく低研磨という事もあり当院でも人気です。グレープ・アップル・ストロベリーの3種類ご用意があります。着色が気になるお子さまには研磨剤配合のこちらのタイプをおすすめしています。
ホームジェルはフッ素濃度が970ppm配合の歯磨きジェルです。泡立ちが苦手なお子さまに人気です。フッ素濃度が970ppm配合とチェックアップ Kodomoよりも少しだけフッ素濃度が高いものになります。当院では、グレープとレッドベリーが特に人気です。
よければぜひ試してみてください^ ^
フッ素配合の歯磨き粉を使う時の3つのポイント
フッ素は歯磨きをしたあとも歯や粘膜などに残り、少しずつ唾液と混ざり合って口の中で効果を発揮します。フッ素はできるだけお口の中で長く留めることが大切です。
すすぎは少ない水で1回だけでOK
歯磨きを終えた後に何度も口の中をすすいでしまうと、口の中に残るフッ素の量が少なくなってしまいます。歯磨き後は5~15mlの少ない水で5秒間程度ブクブクと1回だけすすぐことをおすすめします。歯磨き後1〜2時間くらい飲食を控えると、さらに効果的です。
おすすめは就寝前
就寝前にフッ素配合の歯磨き粉でブラッシングして、フッ素を口の中に長くとどめておくことで寝ている間も虫歯予防ができます。寝ている間は唾液が少なくなり、虫歯のできやすい環境になってしまうのでおやすみ前の歯磨きは積極的にフッ素を取り入れる事をオススメします。
コツコツ継続的に取り入れる
一時的にケアに気を遣うだけでは、フッ素の効果は十分に発揮されません。毎日のケアでフッ素をしっかり取り入れ、継続的に虫歯予防に努めることが大切です。初期虫歯の段階であれば、歯をきれいに磨きお口の中を清潔に保つこと、そしてフッ素を定期的に使うことで修復できる可能性があります。
まとめ
フッ素は大人の虫歯予防にも効果的であり、虫歯予防にはフッ素配合の歯磨き粉を積極的に取り入れるべきだと思います。皆さんの普段使っている歯磨き粉はどうでしょうか?この機会に一度確認してみても良いかもしれません。
フッ素を取り入れる時のコツは、できるだけお口の中で長く留めること。また、一時的ではなく、継続的にコツコツ使い続ける事で効果をより発揮します。毎日の習慣にして日々の生活に取り入れていきましょう。
しかし、あくまでもフッ素は、虫歯予防のための1つの手段ということ。フッ素を取り入れているからと言って、虫歯にならない訳ではありません。3ヶ月に1回は、仕上げみがきや定期的な検診も兼ねて、歯医者さんで診てもらいましょう。
記事監修 Dr.堀内 啓史
堀内歯科医院
院長 堀内 啓史