ホワイトニングは歯磨きや歯のクリーニングでは落ちない、加齢や飲食物による着色を専用の薬剤を使用して、歯そのものの色を白くする治療法です。
ホワイトニングには歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」とご自宅で行う「ホームホワイトニング」の2つの方法があります。当院では、現在ホームホワイトニングのみ行っております。
そこで今回は、ホームホワイトニングにスポットを当てて、ホワイトニングの流れとホワイトニングの効果を長持ちさせる方法についてご紹介します。
歯のホワイトニングは、歯科医院以外にもホワイトニングサロンやエステサロンでも行うことができます。「ホワイトニングは歯科医院とサロンで違いはある？」の記事の中で違いについて紹介しています。（記事の中で「オフィスホワイトニング」についても紹介しています）。よろしければチェックしてみてください。
目次
ホームホワイトニングとは？
ホームホワイトニングは、歯科医院で作成したマウスピースとホームホワイトニング用の薬剤を使ってホワイトニングする方法です。ホームホワイトニングで使用する薬剤には、歯を白くする作用のある「過酸化尿素」が配合されています。過酸化尿素は少しずつ過酸化水素を生成するため歯に浸透してからゆるやかに作用することが特徴で、白くなる効果を実感するまでには時間が必要なものの、歯を内側から白くでき白さが長持ちしやすいのが特徴です。
ホームホワイトニングの流れ
⒈カウンセリングを受ける
まずは口腔内を検査し、虫歯や歯周病などがないか、ホワイトニングが可能かどうかを確認します。もし事前に治療すべき虫歯や歯周病が見つかったら、その治療を先におこないます。
口腔内に問題がなければ、次は歯の色の目標設定です。シェードガイドという色見本と比較して現在の色を確認し、目標とする色を定めます。術後に効果を確認できるよう、口腔写真も撮影しておきます。
2.歯のクリーニング
ホワイトニングを始める前に、歯の表面の歯石や着色汚れをクリーニングで除去します。汚れを取り除くことで、ホワイトニングの効果をより高めることができます。
3.ホームホワイトニング専用のマウスピースを作成
マウスピースを作るため、歯並びを型取りします。ホワイトニングは専用のマウスピースを使っておこないます。
4.マウスピースとジェルのお渡し
完成したマウスピースと専用ジェルをお渡し、自宅でのホワイトニング方法を説明します。専用ジェルはおよそ2週間分です。以降は都度ご来院いただき、ジェルを購入いただきます。
マウスピースの装着時間とタイミング
1日1回、1〜2時間を目安にマウスピースを装着します。ホームホワイトニングは、指示された期間を守り継続的に使用することが効果を持続させる鍵となります。1日2時間以上つけると、知覚過敏の症状が出やすくなると言われています。就寝時にマウスピースを装着したままにしないようにしてください。
また、歯の汚れによってホワイトニング薬剤が歯に密着せず効果が落ちてしまうので、ホームホワイトニングは食後の歯磨きをした後を推奨しています。ホワイトニング中は飲食できないため、ホワイトニング前に食事を終えておきましょう。
ホームホワイトニングはこんな方にオススメ
1.自宅で手軽にケアしたい
忙しくて歯科医院に頻繁に通うのが難しい方や、自分のペースでケアを行いたい方にとって、自宅でできるホームホワイトニングは非常に便利です。
2.コストを抑えたい
ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングに比べて費用が安い場合が多いです。コストを抑えつつ、ホワイトニングを行いたい人に適しています。
3.継続して行うことが得意
マウスピースの装着や洗浄に加えて、毎日２時間程度は装着しなければいけないため、自己管理が得意な方にオススメの方法です。
4.ホワイトニング効果を長持ちさせたい
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングに比べて低濃度のホワイトニング剤を使ってゆっくりと時間をかけて歯を白くします。色素が歯のエナメル質から徐々に抜け出すため、白さが長持ちしやすく、色戻りしにくくなります。
5.奥歯まで白くしたい
光を使用するオフィスホワイトニングは、光が当たりにくい奥歯は十分な効果が出ないこともありますが、ホームホワイトニングは光の照射は必要なく、マウスピースとジェルによって奥歯までしっかり白くできます。
ホワイトニング効果を長持ちさせるポイント
ホワイトニングからある一定の期間おくとホワイトニングする前の色に戻ってしまうことを「色戻り（後戻り）」といいます。ホワイトニング後にどう対処するかも〈白さの続く期間〉を左右する重要なポイントになります。
ホワイトニングの効果を持続させるには、以下のポイントを押さえましょう。
着色成分の含まれる飲食物・嗜好品に注意
ホワイトニング直後30分程度は、飲食や喫煙は避けてください。その後の飲食でも、以下のような飲食物には注意が必要です。着色汚れの原因となる飲食物といえば、カレー、コーヒー、紅茶、醤油、ミートソース、赤ワインなどの色の強い食べ物や飲み物は着色成分が多く含まれています。これらのものを摂取した後、汚れがこびりつく前にすぐに落とすことが後戻りの防止に有効です。飲食の直後や、タバコを吸った後などにもお水で口をゆすぐ習慣をつけましょう。
ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使用する
歯磨き粉の「薬用成分」のなかに、ホワイトニング効果のある成分が含まれているものを選ぶことがポイントです。「ポリリン酸ナトリウム」は、歯の表面の着色汚れや歯垢を浮かせる働きがある成分です。汚れを浮かせてブラッシングで除去することで、歯を本来の白さに戻します。
※ポリリン酸ナトリウムは、「短鎖ポリリン酸」「EXポリリン酸」「分割ポリリン酸」と記載されている場合もあります。
歯のクリーニングを受ける
セルフケアももちろん大切ですが、細かい部分の汚れを落とし切るのには限界があります。日々の磨き残しなどが原因で徐々に汚れが溜まり、ホワイトニングの効果が薄れていきます。定期的に歯科医院でプロのクリーニングを受けると、すみずみまで歯をきれいにでき、着色汚れを防げます。
まとめ
ホワイトニングで歯を白くすることで顔の印象も変わり、自信を持って笑顔になることができます。
ホームホワイトニングは、歯科で作った専用のマウスピースを自宅で装着し、歯を白くするホワイトニング方法です。ホームホワイトニングは忙しい方や自宅で簡単にケアしたいという方にはオススメです。また、ゆっくりと時間をかけながら歯を白くしていくため色戻りがゆっくりで、白さが長持ちするのもメリットの1つです。
ホワイトニングを受ける際には、歯科医師、歯科衛生士の説明を受けて、自分にあった方法で治療を受けることが大切です。ホームホワイトニングに興味がある方は、いつでもお気軽にご相談ください。
記事監修 Dr.堀内 啓史
堀内歯科医院
院長 堀内 啓史