毎日の歯磨きの時に歯磨き粉を使っているという方も多いのではないでしょうか。
しかし、種類も非常にたくさんあり、本当にどれが良いんだろうという悩みはありませんか?歯磨き粉は、自分に合わないものを選んでしまうと、症状が悪化したり、今までなかった口内トラブルを招く可能性もあります。
そこで今回は、歯磨き粉を選ぶ時に見てほしいポイントとおすすめの商品をいくつかご紹介します。
目次
歯磨き粉の成分や効能をチェック
歯磨き粉は、それぞれ成分や効能が異なります。選ぶ際はあなたが期待する効果をもつ歯磨き粉を選びましょう。商品のパッケージには、含有している成分の記載があるので、ぜひチェックしてみてください。
●虫歯予防
フッ素には虫歯の原因である酸を作りにくくしたり、歯の修復を促進したりする効果があります。大人が虫歯予防を目的として歯磨き粉を選ぶなら、フッ素含有量1,450ppmの商品を選びましょう。
フッ素の適切な量については、歯磨き粉(歯磨剤)によってフッ素濃度が違う!?の記事でご紹介していますので、よければチェックしてみてください。
●歯周病予防
歯周病は、歯垢の中の歯周病原細菌が出す毒素で歯周組織に炎症が起きる病気です。重症化すると歯を支える骨が溶かされ、最悪の場合は、歯が抜け落ちてしまいます。歯周病対策で歯磨き粉を選ぶのなら、殺菌成分と歯垢除去効果があるか確認しましょう。主な殺菌成分としては塩化セチルピリジニウム・塩酸クロルヘキシジン、歯垢除去成分としてはIPMP(イソプロピルメチルフェノール)などが挙げられます。
●知覚過敏の予防
歯にしみるのを抑えるために、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが有効です。歯に傷がつくリスクのある研磨剤は入っていないものが良いです。
知覚過敏について詳しく知りたい方は、「この歯の痛みは知覚過敏?虫歯?」もチェックしてみてください。
●ホワイトニング効果
ホワイトニングには、ポリリン酸ナトリウムやピロリン酸ナトリウムなどが効果を発揮します。他にもポリエチレングリコールや含水ケイ酸なども併用されていると、一層ホワイトニング効果がアップが期待できます。
●口臭予防
口臭予防には殺菌作用が必須です。殺菌成分には、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、ラウロイルサルコシンNa(LSS)、塩化ベンゼトニウムなどがあります。殺菌という面では、歯周病予防の歯磨きと共通することも多くあります。フッ素も虫歯予防だけでなく、細菌が増えるのを防ぐ力があります。
口臭予防として、以前に口臭の原因になる「舌苔」とは?という記事もご紹介しています。
タイプで選ぶ
①ペースト状
ペーストタイプは、最も商品数が多く、選択の幅が広いタイプです。発泡剤が含まれているため良く泡立ち、大量に使用しなくても泡が口内の隅まで行き渡り、使用感はスッキリしています。泡立ちが良いあまり、電動歯ブラシだと飛散しやすくなるため電動歯ブラシにはあまり、向いていません。また、歯磨き粉が多すぎると口の中が泡だらけになってしまって歯磨きの途中で終わらせてしまうこともあるので適量を守り、1本ずつ全ての歯を磨くように意識しましょう。
②ジェル状
ジェル状の歯磨剤は、口の中に行き渡りやすく、泡立たないため汚れを見つけやすいため、磨き残しが多い方や時間をかけてきれいに歯を磨きたいという方におすすめです。特に粘度がある商品は歯ブラシや歯にとどまりやすいので、配合されている薬剤の効果を効率よく得られます。また、研磨剤不使用のタイプが多く刺激が少なため、電動歯ブラシを使っている方におすすめです。
③液状
ペースト状やジェル状と比べると、まだまだ市場に出回る商品の数は多くありませんが、歯磨き粉が苦手な方におすすめしたいのが液状の歯磨き粉です。液体歯磨きを口に含んだら20~30秒間ぶくぶくとうがいをし、その後に歯を磨きます。口の中全体にいきわたらせることができ、汚れも見やすいのでじっくり歯を磨きたい方におすすめです。
※液体歯磨きと混同してしまいがちなのが、洗口液です。液体歯磨きは歯磨きの前、洗口液は歯磨きの後に使うものです。それぞれ目的と効果が異なるので、併用する場合は順番に気を付けましょう。
フレーバーで選ぶ
歯磨き粉は自分に合った味を選ぶこともポイントです。使い心地が悪いと歯磨き自体が嫌になってしまい、いい加減になってしまう可能性もあり、それでは逆効果になりかねません。歯磨き粉のフレーバーはミントが基本ですが、ハーブやフルーツの香りがプラスされている商品もあります。また、同じミントでも商品によって、香味の強さや種類が違います。効能に加え、好みのフレーバーのアイテムが見つかると、毎日の歯磨き時間をリラックスしながら過ごすことができるのでおすすめです。
【目的別おすすめの歯磨き粉】
●虫歯 【クリンプロ 歯みがきペースト F1450 ソフトミントフレーバー】
虫歯対策で効果が期待されている高濃度のフッ素(1450ppm)が配合し、歯を修復するミネラル(リン酸、カルシウム)も同時配合したペースト状の歯磨き粉です。歯肉炎の予防成分「CPC」「IPMP」や歯槽膿漏を防ぎたい方におすすめな「グリチルリチン酸ジカリウム」なども配合されており、さまざまな角度からお口の健康を守りたい人にもぴったりです。
●歯周病 【Systema SP-T ジェル】
システマ SP-T ジェルは、薬用成分であるIPMP配合されており、粘度のあるジェルタイプなので歯ブラシにも歯にも絡みやすく、歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)にも薬用成分が長くとどまることで、歯周病プラークに浸透してしっかりと殺菌します。また、薬用成分β-グリチルレチン酸が歯ぐきの炎症を抑制効果もあり、歯周病予防にとことんこだわった歯磨き粉です。研磨剤不使用で、1450ppmのフッ素も配合されているので虫歯予防としての効果も期待できます。
●知覚過敏 【薬用シュミテクト やさしくホワイトニングEX】
「薬用シュミテクト やさしくホワイトニングEX」は、配合されている硝酸カリウムがカリウムイオンとなり歯の神経をイオンバリアで覆って知覚過敏で歯がしみるのを防ぎます。また、清掃剤の微粒子アルミナ(酸化Al)と改良ツインシリカ(含水ケイ酸)がしっかりホワイトニング効果を発揮。高濃度のフッ素(1450ppm)も入っているため、歯質を強化して虫歯予防も期待できる歯磨き粉です。
●ホワイトニング 【ルシェロ歯磨きペースト ホワイト】
ルシェロホワイトは、白さを持続したい方におすすめの歯磨き粉です。歯質より軟らかくキメ細やかなLime粒子(清掃剤)を配合。高濃度に配合したLime粒子とブラッシングで落としにくいステインを除去します。また、薬用成分「ポリエチレングリコール(PEG)400」が、タバコの「やに」も溶解除去します。フッ素も配合しているので、歯質の再石灰化を促進し、虫歯の発生と進行予防効果もあります。
●口臭予防 【ブレスマイルクリア】
ブレスマイルクリアは、臭いの成分を吸着するゼオライトや、口臭の原因菌を殺菌する塩化セチルピリジニウム配合しており、口の中が爽快になり、スッキリして気持ち良く歯磨きをすることができます。また、4つの有効成分が入っているため、口臭予防だけでなく歯石の沈着や歯肉炎、虫歯を防ぐ効果、ホワイトニング効果もあり、多角的に健康的な口内環境をサポートしてくれます。
お口の悩みにあわせた歯磨き粉を使って健康的な口内環境を目指そう
年齢や生活状況、健康状態によって口中の様子は変化するため、毎日使っている歯磨き粉も、あなたの口の中の状態と合っているか、定期的にチェックしてみてください。歯磨き粉の中には虫歯予防だけでなく歯周病予防の効果のある成分も入っていたり、1つで様々な効果が期待できる商品もあります。もちろん、上記で紹介した歯磨き粉の他にも数多くの種類がありますので、その時の口内環境に合わせてご自分に合った最適な歯磨きを見つけてみてください。
歯科医院では、治療だけでなく「どのような歯ブラシ、歯磨き粉を使って、どうやって磨いていくか?」といったアドバイスも積極的に行っています。自分に合った歯磨き粉を見つけるのが難しいなと感じている方は、お気軽にご相談くださいね。
まとめ
歯みがき粉には、汚れを除去しやすくするだけでなく、つきにくくする働きもあります。歯ブラシと共に、自分の口の状態に合った歯みがき粉を選んで、効率よくプラーク(歯垢)や汚れを除去しましょう。歯の正しい磨き方については、以前紹介している「今の歯磨きをもっと良くするためのコツ」という記事もぜひチェックしてみてください。
歯磨き粉は、歯磨きをより良いものにするあくまでもサポートの役目です。きちんと歯磨きで歯の汚れを落としてこそ効果を発揮してくれますので、1本ずつ丁寧に歯を磨くことを意識しましょう。ご自分に合った最適な歯磨き粉を使って、毎日の歯磨きの時間をより良いものにしてみてくださいね^^
記事監修 Dr.堀内 啓史
堀内歯科医院
院長 堀内 啓史