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コンポジットレジンとは?
コンポジットレジンは天然歯と似た色調を持つ樹脂製(プラスチック)の修復材料です。略称で、「CR」や「レジン」と呼ばれます。コンポジットレジンを使用した治療方法には、コンポジットレジン修復法というものがあります。
保険適用!コンポジットレジン修復法
コンポジットレジン修復法(CR接着修復法)は、現在虫歯治療やその他の治療で広く普及している保険適用の治療法です。虫歯になっている箇所を削り、コンポジットレジン(ペースト状のプラスチック)を歯に詰め、特殊な光を当てて固める治療方法です。以前は、金属を詰めて直していた虫歯治療も、 コンポジットレジン充填により治療時間が短く審美性のある白い歯へ修復することが可能になっています。
コンポジットレジン修復法のメリット・デメリット
メリット
◎健康な部分の歯を残しやすい
コンポジットレジン修復法(CR接着修復法)の大きな特徴として、従来の合金を詰める方法では、虫歯ではない健康な部分も大幅に削る必要がありましたが、 コンポジットレジン修復法(CR接着修復法)では、悪くなったところだけを除去し、直接埋めて固めるため、歯を削る量をとても少なくすることができます。
◎歯の色に近い色調により銀歯に比べて審美的
コンポジットレジンには多くの種類があり、その中で自分の歯に近い色を選ぶことができます。金属の詰め物の場合に起こる歯や歯肉に金属の色が沈着することもありません。
◎金属アレルギーがある方にも使用できる
コンポジットレジンには金属が一切使われていないので、金属アレルギーを起こす心配がありません
◎即日治療が可能なため治療回数を少なくできる
型取りが必要な詰め物は、型取りに時間がかかる為、日にちを空けて2回の来院が必要になりますが、コンポジットレジンの場合は、即日に治療ができるため患者さまの負担を軽くする事ができます。
デメリット
●照射器が届かない箇所では使用できない
コンポジットレジンは、特殊な光を当てて固めます。光が届かないとうまく硬化せず、詰め物として十分な機能を果たす事ができません。
●コンポジットレジンや、接着剤にアレルギーを持つ場合には、適用できない
金属アレルギー同様にアレルギーがある場合は、使用することができません。レジンアレルギーの場合は、口の中の症状として粘膜が腫れたり、赤くなったり、熱を帯びたり、触ると痛みがでることがあります。
●金属やセラミックに比べると、やや強度に劣る
プラスチックで出来ているため、金属やセラミックに比べて強度が弱く、噛み合わせなど何かしらの原因で欠けたり割れたりすることがあります。
●唾液腺付近などの湿潤環境だと接着力が落ちてしまう
歯の表面の乾燥が不完全だと、コンポジットレジンがくっつきにくくなります。唾液が分泌される唾液腺の近くは、乾きにくいため接着力が弱まりやすいです。
●大きな欠損だと修復するのに治療時間がかかる
虫歯の範囲が大きいとその分、治療時間も長引いてしまいます。残念ながら欠損や虫歯の状況によっては、コンポジットレジン以外の治療方法を選択したほうが適切な場合もあります。
コンポジットレジン修復法の流れ【虫歯の場合】
①まず治療する前に虫歯の状態を確認します。(虫歯の進行具合によっては、コンポジットレジンでの修復ができない場合があります。)
②専用の器具を使い、健康な歯を傷付けることなく、虫歯をキレイに取り除いていきます。
③削った部分にコンポジットレジンを詰めて、照射器から放たれる特殊な光を3~10秒ほど当てて、しっかりと固めます。
④余分な部分があれば取り除いて、歯のかたちを整えていきます。詰めた部分の高さが合わなかったり、噛んだ時の違和感がないかどうかなど、細かく噛み合わせのチェックを行います。
問題がなければ治療完了です。今回は、虫歯治療の流れを例に紹介しましたが、コンポジットレジンは虫歯治療だけでなく、欠けた歯を補強したり、金属の部分を置き換えるために使用したり、様々な用途で使われています。
まとめ
現在のコンポジットレジンは、接着性や物性の向上により、
治療後に剥がれてきたり欠けてしまうなどの不具合がないかどうかは、定期的なメンテナンスでチェックしましょう。そうすることでコンポジットレジンで治療した歯を長持ちさせることができます。
お口の中で気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
記事監修 Dr.堀内 啓史
堀内歯科医院
院長 堀内 啓史