お子さまの虫歯予防には「シーラント」

    皆さんは歯医者さんで「シーラント」という言葉を聞いたことがありますか?

    実は、虫歯の予防法はフッ素だけではありません。

    シーラントは、お子さまの虫歯になりやすい歯の溝をプラスチック樹脂で埋めることで、歯の溝に汚れがつくのを防ぎます。

    シーラントはお子さまの虫歯予防に最適

    歯は生えてから間もない時期は、歯そのものが未熟な状態なので、虫歯になりやすい傾向があります。また、小さいお子さまは、歯磨きが不十分になりやすいためシーラントでの虫歯予防がオススメです。特に歯の噛む面にある溝は、汚れが溜まりやすいため注意が必要です。

    歯にある溝は虫歯になりやすい

    歯の噛む面には小さくて深い溝が無数にあり、食べかすや菌が溜まりやすい場所のため虫歯になりやすくなってしまいます。この虫歯になりやすい溝をシーラントで塞ぐことで、歯ブラシも当たりやすく、汚れが溜まりにくくなる効果があります。また、シーラントには虫歯予防効果のあるフッ素が含まれているため、歯の表面を強化してくれる効果も見込めます。

    シーラントの最適なタイミングは?

    生えたばかりの歯は歯質や、背が低く磨きにくいため、初期虫歯になりやすいという特徴があります。シーラントをすることで虫歯を防ぐことができます。

    ※永久歯の歯式には、親知らずも含まれています。

    乳歯の奥歯が生えてくる時期:3~4歳頃

    乳歯の虫歯は、永久歯の発育や歯並びに影響を与えると言われています。乳歯が虫歯になり、進行した状態を放置していると、永久歯も虫歯になりやすくなります。

    奥歯の永久歯が生えてくる時期:5~6歳頃

    特に、6歳臼歯に関しては、永久歯の歯並びやかみ合わせの要となる重要な歯です。6歳臼歯は、完全に生えるまでに約1年かかるので、その間は手前の乳歯より背が低いためハブラシの毛先が届かず、とてもむし歯になりやすいです。

    虫歯になりやすい12歳臼歯が生えてくる時期:12歳頃

    お口の中では1番奥の方にあるので、見えづらく歯ブラシも届きづらいので、痛みや歯ぐきの腫れなど、トラブルが多いのが特徴です。親知らずとは異なり、お口の健康維持のためには残しておきたい大切な歯です。

    シーラント処置の流れ

    ①最初に歯の溝の部分の汚れを取り除き、歯を乾燥させてシーラントの前処理の薬剤を塗布し、数秒置いてから水で洗って乾燥させます。

    ②歯の溝にシーラントを塗ります。

    ③光を当ててシーラントを硬化させます。

    以上で処置は終了です!最後に噛み合わせに問題がないか確認も行います。

    シーラントの注意点

    定期検診でチェックが必要

    シーラントした部分の歯の表面は見えにくく、虫歯になってしまうと発見が遅くなってしまうこともあります。管理体制や口腔内の環境によっては、シーラントの下で虫歯ができることもありますので、施術した場所に問題がないかのチェックとして定期検診でチェックする必要があります。

    取れてしまうことがある

    通常の詰め物であれば、取れにくいように歯を削って形を整えますが、シーラント治療は樹脂を流して固めているだけなので、通常の詰め物より取れやすくなっています。粘着性の高いガムやキャラメルを食べる際にも注意が必要です。外れかかっているシーラントをそのままにしていると、シーラントをしていない状態よりも、虫歯になりやすいというデメリットがあります。取れてしまった場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。

    虫歯にならないわけではない

    ただ気をつけたいのが、シーラントをしたからといって虫歯にならないわけではありません。大切なのは、歯垢をしっかりと取り除き、溜めないようにすることです。シーラントをしてもきちんと歯磨きができていなければ虫歯になる可能性は充分あります。シーラントに頼りすぎるのではなく、まずはお子さまと一緒に歯磨きの習慣をつけましょう。小さいお子さまは自分で充分な歯磨きが出来ないため、仕上げ磨きも必要です。

    まとめ

    シーラントは、虫歯の治療ではなく予防処置です。

    歯を削らないため痛みがなく簡単に虫歯予防ができます。

    しかし、シーラントをしたから歯磨きをしなくていい!ではなく、しっかり歯磨きをした上で行うことが大切となります。

    日々の歯磨きを頑張りましょう!磨き方に不安があれば、いつでもご相談お待ちしています♪

    記事監修 Dr.堀内 啓史
    堀内歯科医院
    院長 堀内 啓史