歯医者さんで歯医者さんで治療が終わると「定期検診に来てくださいね」と言われる事があると思います。「痛みもないのに何をするんだろう?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。
定期検診(メインテナンス)は、虫歯や歯周病を再発させず、歯を健康な状態に維持していくための定期的な治療のことです。定期検診は歯の健康を守るために大切な役割を担っています。
今回は、定期検診でどのような事をするのかを、お子さまと成人の場合に分けてご紹介していきます。
目次
【お子さまの場合】
問診
3ヶ月の間でお変わりなかったか、症状はないかを聞きます。
お口の中のチェック
歯の本数や生え変わりに問題がないか、むし歯の有無、歯ぐきや粘膜に問題がないかをみていきます。また、磨き残しや汚れがついているところを記録します。定期検診の際にお子さまのお口の中のカラー写真を撮影します。
年に1回はパノラマ(レントゲン)撮影をします。
クリーニング
歯垢染色液を使用して磨き残しを説明し、カメラに撮ります。歯ブラシの当て方を指導したあとに歯と歯の間はフロスを通します。専用の機械で1本ずつ歯を丁寧に磨いていきます。
検診結果の説明
検診結果と治療計画を丁寧にお話します。最後にフッ素塗布を行います。
【成人の場合】
問診
問診3ヶ月の中でお変わりなかったか、気になる症状はないかをお聞きします。服用中の薬があればお変わりないかを聞き、お薬手帳を確認します。
お口の中のチェック
歯の本数や目に見えるむし歯、歯茎や粘膜に異常がないかをみていきます。
口腔内カラー写真を撮ります
歯の正面・右の側面・左の側面・上の噛み合わせの面・下の噛み合わせの面の合計5枚のカラー写真を撮影します。
年に1回はパノラマ(歯のレントゲン)を撮ります
歯周病検査
プローブという器具を使い、歯ぐきと歯の境目の深さを測り、出血などを記録します。歯周病により歯が揺れていないかも検査します。汚れや磨き残しがないかをチェック、記録します。
クリーニング
歯垢染色液を使用して汚れている部位を確認してもらいます。ブラシの当て方や歯間ブラシ、フロス指導を行います。歯石除去後に専用の機械で歯を1本ずつ磨いていきます。
検診結果の説明
検診結果と治療計画を丁寧にお話します。
定期検診をすると良いこと5つ
むし歯や歯周病などを早期発見する事ができる
お口の病気は早期発見することで、症状の進行を妨ぐことができます。特に歯周病は自覚症状がなく進行していくので、気付いた時には重症化しているケースもあります。定期検診(メンテナンス)を行うことで、虫歯や歯周病などで痛い思いをしたり、歯を失ったりするリスクを抑えられます。
健康な歯を長く維持できる
定期検診で歯の状態をチェックし綺麗な状態にしておく事で1本でも多く、今ある歯を守る事が可能です。定期検診(メンテナンス)を受ける事で歯を失う主な要因のむし歯や歯周病を予防する事にもつながります。
経済的な負担が軽くなる
一度虫歯や歯周病になってしまうと、定期検診(メンテナンス)にかかる費用以上のお金と時間がかかります。定期検診(メンテナンス)をする事で治療も比較的軽くする事ができるため、長い目で見た時に歯科治療にかかる費用を抑える効果があります。
口臭の改善や予防ができる
毎日歯磨きをしていても歯ブラシだけでは取り除けない歯垢(プラーク)があります。その歯垢が石灰化してしまい歯石になってしまうと、どんなに歯磨きしていても落とせません。歯石は口臭の原因だけでなく、むし歯や歯周病の原因にもなるのできちんと除去をする事が大切です。
正しいブラッシングスキルが身につく
定期検診(メンテナンス)では、どこに磨き残しが多いかを教えてくれるので自分の磨き方のクセを知る機会になります。定期検診で正しい磨き方を教えてもらう事で正しい歯磨きの仕方が徐々に定着します。正しい歯磨きの仕方を身につける事は、歯の健康を守るためにとても重要です。
まとめ
定期検診(メンテナンス)を受けることは、今ある歯を一本でも多く守るためにとても大切です。歯磨きのプロでもセルフケアで全ての歯の汚れをとることはできません。お家でのセルフケアと歯医者さんでのプロフェッショナルケアを両立させてお口の健康を保ちましょう。
3ヶ月に1回はメンテナンスを受けるべきと言われていますが、患者さまのお口の状態に合わせてメンテナンスの頻度も変わっていきます。歯医者さんに最近行っていないという方は、この機会にお口の状態を歯医者さんでチェックしてみても良いかもしれません。
当院でも最近は、痛みがなくても予防歯科として来院される方が増えています。歯医者さんは、治療だけでなくむし歯や歯周病などの病気にならないための予防歯科としての役割もある事を知ってもらえると嬉しいです。
記事監修 Dr.堀内 啓史
堀内歯科医院
院長 堀内 啓史